FLOOD & POWER OUTAGE GUIDE
水害時は、まず 「安全か」を確認。
水害時、ポータブル電源は使える?
浸水時の安全な使い方と電源確保
台風や豪雨で浸水と停電が同時に起きたとき、
ポータブル電源が生活に必要な電気を確保する手段になる場合があります。
ただし、「停電」と「機器の水濡れ」は分けて考える必要があります。
QUICK ANSWER
結論:水害時は「停電」と「浸水」を分けて考える
停電しているだけなのか、家電やポータブル電源、建物の電気設備まで水に濡れているのかで、取るべき対応は変わります。
| 停電のみ | 家電・ポータブル電源とも浸水や破損がなければ、状態と仕様を確認して使用を検討します。 |
|---|---|
| 家電が浸水した | 自己判断で通電しません。 |
| ポータブル電源が濡れた | 自己判断で使用・充電を再開しません。 |
| 建物設備が浸水した | 家庭用ポータブル電源だけでは、建物設備を復旧できません。 |
SAFETY FIRST
ポータブル電源本体も、水濡れ・浸水に注意
非常用電源であっても、水に濡れた状態で安全に使えるとは限りません。水害時は、ポータブル電源本体の水濡れや浸水も避ける必要があります。
NITE(製品評価技術基盤機構)は、屋外に置かれていたポータブル電源に雨水などが侵入し、短絡によって内蔵リチウムイオン電池セルが異常発熱して出火した可能性がある事故例を紹介しています。
水害が想定される地域では、購入後の保管場所も防災計画の一部です。床面や浸水しやすい場所だけでなく、持ち出しやすさや製品の保管条件も確認しておきます。
WHAT IT CAN SUPPORT
安全が確認できた場所では、生活に必要な電気を補える
ポータブル電源は、水害そのものを解決する機器ではありません。浸水を免れた場所・機器で、停電中に維持したい生活機能へ必要な電力を供給するための選択肢です。
横にスクロールできます
| 用途 | 主な目的 | 考え方 |
|---|---|---|
| LED照明 | 夜間の安全・明かり | 比較的少ない電力で使いやすい |
| スマートフォン | 情報確認・連絡手段 | 必要電力量が比較的小さい |
| 冷蔵庫・冷凍庫 | 食品の保冷 | 長時間運転するため容量と出力を確認する |
| 扇風機・サーキュレーター | 夏の暑さ対策 | エアコンより小さい消費電力で使いやすい |
| 電気毛布 | 冬の寒さ対策 | 比較的少ない電力で保温しやすい |
| 炊飯器 | 食事の確保 | 容量だけでなく定格出力も確認する |
LIMITS
ポータブル電源でも解決できないことがある
家庭内の小型機器へ給電できても、建物全体や外部インフラの被害まで家庭用ポータブル電源だけで解決できるわけではありません。
| 浸水した家電 | 別電源につなぐ前に安全確認が必要です。 |
|---|---|
| 建物の受変電設備 | 建物側の設備被害は家庭用ポータブル電源では復旧できません。 |
| エレベーター・給水設備 | 集合住宅などでは建物設備の電源に依存する場合があります。 |
| 外部の通信設備 | 自宅側へ給電できても、通信事業者側の設備が停止していれば通信できない場合があります。 |
POWER PRIORITY
停電時は、使う機器の優先順位を決める
ポータブル電源の容量には限りがあります。停電が長引くときは、すべての機器を動かそうとせず、食品・連絡手段・照明・暑さ寒さ対策など、何を優先するかを決めます。
| 食品を守る | 冷蔵庫・冷凍庫など |
|---|---|
| 情報・連絡手段 | スマートフォンなど |
| 夜間の安全 | LED照明など |
| 暑さ・寒さ対策 | 扇風機・電気毛布など |
家庭によって必要なものは異なるため、「1000Whあれば大丈夫」と一律には決められません。 何Wの機器を何時間使いたいかから、必要容量(Wh)を考えます。
REFRIGERATOR & FOOD
冷蔵庫は「何時間動かせるか」と「食品が安全か」を分けて考える
冷蔵庫は停電時に優先度が高い家電の一つですが、給電できる時間と食品を安全に保存できた時間は同じではありません。
LONG OUTAGE
長期停電では、残量だけでなく再充電も考える
数時間なら蓄えてある電気だけで対応できても、停電が1日、2日、3日と続けば、どれだけ大容量でも残量は減っていきます。
| ソーラーパネル | 天候によって発電量が変わるため、余裕を持った計画にします。 |
|---|---|
| 車載充電 | 対応するポータブル電源・車両・充電方法を確認します。 |
| 商用電源が使える場所 | 安全に移動できる場合は、電源が復旧している場所での再充電も選択肢になります。 |
AFTER THE FLOOD
水が引いたあとも、浸水した家電へすぐ通電しない
見た目が乾いていても、内部に水分や泥などが残っている可能性があります。停電復旧後も安全確認が先です。
消費者庁は、停電復旧後に浸水や落雷などの損傷を免れた製品を使う場合でも、電源プラグ・コード・焦げ跡など外観の異常を確認し、異音や異臭があれば使用を中止してメーカーや販売店へ相談するよう案内しています。
自宅から避難する際に時間的な余裕がある場合には、停電復旧時の事故を防ぐため分電盤のブレーカーを切ることも案内されています。災害前から分電盤の位置と操作方法を確認しておくと安心です。
BEFORE A DISASTER
水害に備えるなら、ポータブル電源を買う前に6つ決めておく
大容量だから正解、小型だから不足とは限りません。自分の家庭で守りたい生活機能から必要な容量と再充電方法を考えます。
| 1. 何を守るか | 停電したら、まず何を動かしたいか決めます。 |
|---|---|
| 2. 消費電力 | 使いたい機器が何W必要か確認します。 |
| 3. 使用時間 | 何時間維持したいか決めます。 |
| 4. 想定日数 | 一晩なのか、数日なのかで必要な備えが変わります。 |
| 5. 再充電 | 使い切ったあと、どうやって電気を補充するか考えます。 |
| 6. 保管場所 | 浸水から守れ、必要なときに持ち出せる場所を考えます。 |
SOURCES
この記事で確認した公的資料
安全情報は商品紹介とは分け、一次情報を確認できるようにしています。
FAQ
水害とポータブル電源のよくある質問
自己判断で通電しないでください。内部に水分・泥・塩分などが残っていると、通電時に発火するおそれがあります。電源が商用電源かポータブル電源かにかかわらず、安全確認が先です。
製品ごとの防水・防塵性能やメーカーの案内によって異なります。異常が疑われる場合は、自己判断で使用や充電を再開せず、取扱説明書やメーカーの案内を確認してください。
必ずしもそうではありません。使う機器の消費電力、使用時間、想定する停電期間、再充電方法から必要容量を考えます。照明やスマートフォン中心なら小型機が合う場合もあります。
再充電手段の一つになります。ただし、発電量は日照条件などに左右されます。ソーラーだけを唯一の方法とせず、車載充電や商用電源が利用できる場所での再充電など、複数の手段を考えておくと選択肢が増えます。
NEXT STEP
安全を確認したら、自分の家庭に必要な容量(Wh)を決める
水害時は「何でも動かす」のではなく、守りたい生活機能から必要な電力を計算します。必要容量(Wh)と定格出力が見えた段階で、容量帯や再充電方法を比較してください。